生物原子転換誘導装置...2003年7月5日
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生物原子転換誘導装置
グローバル・クリーン社の一押しの商品。
単三電池2本で3〜4ヶ月は持つという超省エネである。スイッチを入れると左の写真の箱の中の右側にある縦14.5cm横10.5cmのボードに埋め込めれた発光ダイオードから光がでる。この光を直接体に当ててもいいが、通常は透明のペットボトルに水を入れて30分ほど光を当てる。この水をお茶にして飲んだり、料理に使うことによって体内に取り入れる。(左の写真はグローバル・クリーン社のHPから拝借しました) |
最近私のところに読者の方からグローバル・クリーン社の生物原子転換誘導装置の問い合わせがくるようになった。これは当「食べ物の話」のコーナーでグロ−バル・クリーン社代表の浅井敏雄氏を紹介しているせいだと思うのだが、これまで当ホームページで生物原子転換誘導装置の話題を取り上げたことなど一度もなかった。私に問い合わせをしてきた方々は、私が生物原子転換誘導装置を使っているに違いないと、するどい読みをしておられるようだが、実際そうなのだ(まいった)。でもなんでわかったの、と聞きたくもなってくる。
ところで多くの方は、別に人に聞かなくたって自分で買って試してみればいいじゃないかと思うかもしれない。だがそう簡単にいかない事情があるのだ。なにしろ1台29万8千円もするのである。失敗したからといって、”ダメじゃん”じゃすまされない金額なのだ。
この金額を読者のほとんどの人は”高い!”と思うだろう。だが実際は効果があるかどうかが問題で、効果がなければドブに金を捨てたと同じことだし、本当に効能書きに書いてあるような効果があったら、29万8千円など”メチャクチャ安い”ことになるだろう。第一人生の最大の財産は健康という言い方もあるし、健康はお金に換えられない価値があるものとも言える。
と言いつつも不肖この私も買うのは躊躇した。貧乏の私にはシャレにならない金額だぞと思い悩んだ(実は去年までは24万8千円で、私はこの金額で買った)。だが貧乏だが胡散臭い話大好きのおじさんは、ついに誘惑に負けて買ってしまったのだった。自分の人生は失敗の連続のようなもので、ここで失敗が一つ加わってもたいしたことはないと自分に言い聞かせながら・・・。
さて生物原子転換誘導装置が送られてくると、さっそく試してみたことがあった。この生物原子転換誘導装置の光をあてられた水は、H2O(水分子)のO(酸素)と2つのH(水素)の結合角度が広がり、エネルギーが増すのだという。そしてその証拠にこの水を沸騰させると100度Cの沸点ではなく、87度Cの沸点になるのだという。こりゃあ試すしかないとデパートで油料理のときに使う温度計を買ってきた。やってみると99度Cである。おかしいなあともう一回やってみたが99度Cだった。これは自分のやり方が悪いのかも知れないので、今度浅井さんに機会があったら直接聞いてみたいと思っている。ちなみに最近のパンフレットには、この沸点が違ってくるという記述はなくなっている(実は私の実験結果は正しかった???)。
浅井氏の勉強会で、この生物原子転換誘導装置の原理は何かという質問が出た。浅井氏は、説明するのが難しいと言って説明しなかったが、説明するのが難しいのではなく、説明したくなかった可能性がある(あくまでも私の邪推)。これは私の想像だが、浅井氏はフリーエネルギーの研究をしたことがあると言っていたが、そのときの副産物ではないかと思っている。なにかのコイル(テスラコイル?)を使って10の33乗という超高速振動の電磁波を産み出し、それを発光ダイオードで光に変えてみた。するとこの光が人体に良い影響を与えることが”偶然”に発見された。そこでこりゃあいけるぞと商品化したというのが私の想像である。興味のある人は浅井氏本人に聞いて下さい。そして私に教えて下さい。
ただこの原理を使って別のメーカーが、癌に効果があるというふれ込みで500万円で売り出す計画があるという話なので、原理は意外と知られているようだ。
では次に生物原子転換誘導装置による水の体内での働きである。浅井氏の説明では、この水は体内の蛋白質を柔らかくする性質があるという。最近急速に自然塩が普及し、ニガリの作用によって体内の蛋白質が固くなっている人が増えているという。ご存じのようにニガリは大豆蛋白を固めて豆腐を作るように、蛋白質を固める性質がある。これを現代人は”健康にいい”と信じ込んで自然塩を摂るようになってしまったために、大量に摂るようになってしまったという。人間の体はほとんどが蛋白質で出来ているので、ニガリを大量に摂ると体全体が硬くなるが、最初にやられるのが膵臓、腎臓、肝臓のような内臓の臓器だという。最近糖尿病、肝硬変などが急速に増えているが、これは自然塩に含まれるニガリの害によるものだという(当ページの「自然塩による糖尿病、肝硬変」を参照して下さい)。そして一旦硬くなった臓器を元に戻す手段はなく、後は徐々に死を待つのみとなってしまうというわけだ。そしてこの生物原子転換誘導装置による水こそ唯一硬くなった臓器を柔らかくするというふれ込みだ(なかなか良い切り込み方である。浅井氏は商売上手かも)。
生物原子転換誘導装置による水によって臓器を柔らかくしても、いままでと変わらない食材を使っていたら同じように自然塩によるニガリが入って意味がない。そこでニガリを極力落した塩(真生塩)や味噌、醤油を摂る必要がある。もちろんそんなものは我々が行く一般のスーパーには売っていない。浅井氏が主催する会社で売っているのである(すばらしい!商売の鬼!)。私の個人的な好みだが、この塩も味噌も醤油も嫌味がなく品の良い味がして気に入っている。一般のものより少々値段は高めだが、味がいいのでお勧めである。さらに塩でお勧めなのが、モンゴルから輸入した岩塩である。真生塩は0.0084%のニガリを含んでいるが、岩塩は0%である。舐めると塩なのに甘い味でするのでびっくりしてしまった。
さてでは肝心の効果があるかどうかである。
パンフレットには、色々な病が治ったという体験談がたくさん載っているが、それらは興味がある人が読めばいい話なので、ここでは私の体験談を述べる。
私の場合は不定愁訴のようなものではっきりとどこが悪い、ここが悪いという点はないので、劇的な効果を報告できないが、確かに体調は良くなったような気がする。まずなんといっても元気になってさらに酒の量が増えた。以前の1.5倍くらい飲めるようになってしまったのだ。金はかかるしこれは喜んでいいのか悲しんでいいのかよくわからない話である。
どうも効果がありそうなので年老いた私の母(70代)に使ってもらうことにした。すると母にはたいそう劇的な効果があったようで、飲んだ翌日に手のしびれが治ったと言い出した。毎朝寝起きにトイレが立つが、いつも手がしびれていたのだそうだ。それが初めて水を飲んだ翌日の朝に治ったというだから、私は、「いくらなんでもちょっと早すぎる」と言ってしまった。とにかく1、2ヶ月続けてみてくれと言った。それ以前に母には脳梗塞の兆候が現われていた。道を歩いていてふらーっとなって思わず壁に手をつくようなことがあったという。それがこの水を飲むようになってなくなったという。あまりに出来すぎた話で、ちょっとほんとかなあと思ってしまうが、最近母の顔色は非常にいい。体調も良いという。少なくとも私の母親には効果があったようだ。
最近の私の心配は、この生物原子転換誘導装置を気に入った母がまわりに吹聴しまくっていることだ。兄もその被害(?)にあったらしく、この水を飲まされているという。私は思わず笑ってしまったが、塩、味噌、醤油を変えなければ意味がないという点で実行するのは、かなりの決断だと思っている。そういったことまで説明する必要があるので人に吹聴するのは、もう少し様子をみてからのほうがいいかなと考えている。
塩のとりすぎが高血圧の原因と多くの日本人は信じているが、そのもととなった実験を紹介しよう。経営コンサルタントであった一倉定(いちくらさだむ)氏の著書から引用する。
・・・(略)・・・
高血圧と塩分の関係を最初に論じたのは、1904年、アメリカのボンジャド博士の「高血圧に減塩療法を行って効果があった」というレポートだといわれているが、これは、あまり問題にされなかった。
戦後、アメリカのダール博士による日本の都道府県別食塩摂取量と高血圧の発生率を調べた結果、「高血圧は塩分のとり過ぎが原因」という、早とちりであった。
ところが、後にもっと詳しく部落別に分けて調べたところ、塩分摂取量が多くても高血圧にならない部落が多く存在するとともに、塩分摂取量が少ない部落でも高血圧部落が多いことがわかり、食物との関係を調べ直した結果、白米食が高血圧の犯人だということがわかったが、既存の説を覆すことはできなかった。先入観のなせる業だろうか。
最も有名なのは、1953年、アメリカのネーメリー博士の行った実験である。実験用のネズミ10匹に、通常の20倍の食塩を加えたものを食べさせ、ノドが渇いて飲む水は1%(パーセント)の食塩を加えたものとした。1%というのは、ネズミの血液中の塩分濃度に近いものである。
6ヶ月後に、10匹のうち4匹が高血圧になっていた。この実験は大きな反響を呼び起こし、塩は高血圧の原因として敬遠されるようになったのである。一犬がほえて万犬がそれを伝えたのだ。
何と妙な話ではないか。血圧の上がった4匹のことだけが問題視され、血圧の上がらなかった6匹はまったく無視されてしまったのである。
こうした細工が、どこで行われたか知らないが、そのために「塩をとると血圧が上がる」ということになってしまったのである。インチキ極まる話ではないか。
これとは別に、私は実験そのものに、いろいろな疑問が生まれてくるのである。
通常の20倍もの塩というのを、人間に当てはめてみると、1日10グラムが通常だとしても、その20倍だから、200グラムということになる。
こんなに多量の塩分を、6ヶ月どころか1日でもとれるものではない。もしも1日100グラムずつ2日もとれば、3日目には欲にも得にも体が受けつけない。無理にとれば吐いてしまう。これは、後述する私の塩の過剰摂取の人体実験からしても間違いない。生物体とはこういうものである。
・・・
だから、この実験にはどこかに何かウソかカラクリがある。
もしも、これが本当ならば、ネズミは人間とは違った生理を持っていることになる。
・・・(後略)・・・
これら3つの実験を下にまとめてみた。
時期 |
実験者 |
実験内容 |
1904年 |
ボンジャド博士(アメリカ) |
高血圧に減塩療法を行って効果があったというレポート |
戦後 |
ダール博士(アメリカ) |
日本の都道府県別食塩摂取量と高血圧の発生率を調べて、
高血圧は塩分のとり過ぎが原因という、早とちりを行う。 |
1953年 |
ネーメリー博士(アメリカ) |
ネズミ10匹の実験 |
一番多くの人が注目し、関心を集めた3番目のネーメリー博士の実験の手法、及び結果に対して一倉氏は疑問をもっているが、この実験に対し同じ疑問をもっている人がいた。前回紹介した『塩と水の聖なる話』の著者、八藤眞氏である。その部分を引用してみよう。
・・・(略)・・・
この実験もまた大きな反響を呼び、「塩が高血圧の原因」という考えを私たち日本人のあいだにすっかり定着させることになったのです。
しかしこのメーネリー博士の実験・報告にはきわめて非科学的な無理があります。
まず博士の実験で高血圧になったネズミは4匹。
通常では考えられないような極端な塩漬けの食生活を半年も続けさせたというのですから、この4匹が高血圧に限らず、体にひどい変調をきしたであろうことは容易に想像できます。
さらに不思議なのは残りの6匹です。
彼らはこれほど過酷な食事を強いられながら、報告ではなんと血圧はおろか、体になんの変調も見せなかったということになっているのです。
これが本当だとすれば、驚くべき生命力を持ったネズミたちの存在に、博士はなんの関心も持たなかったのでしょうか。
私は、この実験そのものに、ある不自然さを感じないわけにはいきません。
ふつうの20倍もの食塩を加えた食事というのを人間に当てはめてみましょう。
人間が1日10gの塩分を取るとしてその20倍、この実験で与えた塩分は、実に200gにも相当します。こんなに多量の塩分を連日連夜、半年間にわたって取ることはネズミであろうと人間であろうと絶対に不可能です。
取ろうにも体が受けつけず、無理にとれば吐いてします。生命体が持つ防御本能がそれを許すはずがないのです。
もしこの実験にウソもカラクリもないとすれば、この実験に使われたのは、よほど特殊な生理を持つネズミだったと断ぜざるを得ません。そのような特殊な実験結果を、人間を含む通常の生物に当てはめること自体、もはや非科学的・非医学的ナンセンスと言ってもいいのです。
ことろが、このように多くの疑問があるにもかかわらず、やがて「塩=悪者」説は私たち一般市民のあいだにもすんなり受け入れられることになりました。
・・・(後略)・・・
どうやら塩=高血圧という”常識”はこの実験からもたらされたようである。そしてその実験の内容をみると、相当にあやしいものでおよそ科学的事実と呼べる代物ではないことがわかってきた。一倉氏によると、だから医学界では塩の取り過ぎ=高血圧と断定していないというのである。
では高血圧の本当の原因は何か。もちろん原因の明らかな「二次性高血圧」は数%と言われ、ほとんどが「本態性高血圧」と言われるものだという。そしてこの「本態性高血圧」は現代の医学では原因不明である。この「食べ物の話」のコーナーの「高血圧の原因を探る」で一倉氏と浅井氏両氏の意見を紹介してある。興味のある方は御一読下さい。
スーパーでは、”減塩醤油”、”減塩味噌”、”減塩ソース”、”減塩梅干し”・・・等々減塩商品が並んでいる。最近のテレビCMでは減塩ハムというものまである。聞いた話だが、食品メーカーは商品に”減塩”と書くとよく売れると言っているという。
それを裏付けるように、ここ数年は人と健康の話題になると、
「健康に気を使って、最近は塩分を控えめにしています」
という話題が必ずといっていいほど出てくるようになった。その理由はたいてい高血圧になるから、というものだが他に腎臓機能障害、脳血栓、胃ガン、心臓病まで塩の取りすぎが原因という指摘まであるという。もはや’日本の常識’として健康に気を使うなら塩分控えめがいいということになってしまっている。まるで塩は毒のような扱いを受けているようだ。
だが私はこの”常識”に、はなからうさん臭いものを感じてきた。『塩と水の聖なる話』(八藤眞著、青春出版社)による情報を紹介しよう。
・サラリーマンの給料、サラリーの語源が”塩”であることはよく知られた事実。古代エジプトでのピラミッドの造営に従事した奴隷に支給されたのが、塩であった。連日の重労働で消耗した身体の疲労回復に塩はかかせなかったからである。
塩が毒なら、過酷な労働に耐える奴隷の疲労回復に塩が支給されるはずがない。過酷な労働で死にそうになっている人間に毒を与えたら、それこそあっという間に死んでしまうだろう。
・瀕死の重病人が病院に運ばれたときリンゲル液の点滴をうける。このリンゲル液の成分は塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等々だが、そのなかでも主成分の塩化ナトリウム(いわいる塩)は人間の体液よりやや濃いめの濃度が用いられている。
これまでリンゲル液で九死に一生をえた人はそれこそ数えきれない数にのぼるだろう。塩が体に悪いのなら、生死の境にある緊急時に塩が主成分であるリンゲル液が投入されるはずがない。
・戦国時代の武将、越後の上杉謙信が、宿命のライバルである甲斐の武田信玄に塩を送ったという美談が残っている。(ただし最近の研究で、塩を直接送ったのではなく、甲斐から日本海へ繋がる塩を運ぶルートを上杉謙信が黙認したという説もある。管理者注)
もし塩が毒なら戦国時代の話はけっして”美談”として後世に伝わるはずがない。
・現在地球上にあるすべての生物は海から発生したと考えられている。女性の胎内で新しい生命を育むための羊水は、海の水と全く同じ組成だという。その海の組成で重要な要素を占めるのが塩である。
塩が健康を害する有害な毒なら、その毒をたっぷり含んだ海から生命は生まれ、また新たな生命を育む女性の羊水はその海水と同じ組成だから人間もまた毒から生まれたことになってしまう。
さて、上にあげた事実は多くの人が常識として知っていることだと思う。だが不思議なことに、これらの事実を知っている多くの日本人が、”塩悪玉説”を信じているのである。
さらに『超健康のコツ』(船井幸雄著、ビジネス社)から興味深いエピソードを紹介しよう。
江戸時代の牢獄での話である。
捕らえられた囚人が頑強に犯行を否認したとき、その囚人には”塩抜きの飯”を与えたという。よくテレビの時代劇で、囚人に犯行を吐かせるために石を抱かせたり、逆さに吊して水攻めのような拷問をしているが、あれは事実ではないという。よほどのことがないと拷問などしなかったらしい。逆に塩抜きの食事が’ゆるやかな’拷問として行われたという。これをやられた囚人は、日々体力がなくなり、身体のあちこちが辛くなるのはもちろん、なによりも気力がどんどん萎えてくるという。そしてついにどうでもよくなって、最後に白状してしまうというのだ。
塩抜きの食事というと、これこそまさしく現代の”減塩食”ではないか。減塩が身体にいいと信じて実行している人は、江戸時代の牢獄のゆるやかな拷問をうけていると言える。
「減塩が体に良い」というのは現代の迷信である。ここに紹介した事例から見てもそうであるし、科学的な根拠もない。読者の中で、機会があったら病気と健康のプロである医者に質問されるといいと思う。おそらく医者は、口ごもって明確な答えをしてくれないに違いない。
それを実際にやってみた人がいる。前述の船井幸雄氏である。船井氏自ら、名医と評判の8名の医者に率直に聞いてみたのだそうだ。
「減塩は本当に正しいのですか?」
すると誰一人として「正しい」と言わなかったという。そして、逆に「減塩は間違っている」と言った医者が一人いて、あとは明快な答えをしてくれなかったそうだ。
減塩が体に良いと信じている人は、この結果に驚くに違いない。8人の医者に聞いたら8人とも「減塩は健康に良い」と答えてくれるものと期待していただろう。ましてや名医と評判の医者である。減塩は健康に良いと言ってくれないのは衝撃に違いない。
これは何を意味するかというと、結局のところ医者にもはっきり断定できないのである。科学的な裏づけのないものを主張するわけにはいかないからだ。しかも質問している船井氏は社会的地位のある人であり、本を何十冊も出している有名人である。へたなことを言うと本に書かれてしまう。それゆえわからないものは曖昧な返事しかできないのである。
「減塩が健康に良い」というのは科学的な根拠がないのみならず、前述したように生活習慣として長年培ってきた経験とも反している。リンゲル液や奴隷に与えた塩や、江戸時代の牢獄での話は、人間にとって塩が、いかに生命の維持に大切かを示している。科学的根拠もなく、経験則からもいえない話なので私は迷信と言ったのだ。だがいったい何故こんな迷信を、現代の多くの日本人は信じるようになってしまったのだろう。誰かが意図的に広めたのか、あるいは自然発生的に広まっていったのか。意図的に広めたのなら、犯人は誰か。犯人探しの鉄則は、誰が一番利益を得たかだ。冒頭で紹介したように、減塩と銘打った商品を発売すると、売り上げがグンと伸びるという事実は、食品会社を疑いたくなってくる。こういうことを考えると面白いのだが、事実はそれほど単純ではなさそうである。
次回は、塩のとりすぎ=高血圧、という迷信のもととなった実験を紹介したいと思う。
SARS...2003年5月10日
浅井敏雄氏の勉強会に行ってきた。そこで最近話題のSARSの話が出たので紹介したい。
前回のレポートで浅井氏の花粉症やウィルスに関する見解を紹介したが、それは花粉もウィルスも体内に入り込んだ毒素を対外に排出する働きがあるというものだった。その説明で一つ私が疑問に思ったのは、花粉で死ぬことはないが、ウィルスで人は死ぬことがあるということだ。毒素を取り除くはずが、宿主を殺してしまうのはおかしい。SARSなどはまさしくそうである。その浅井氏の説明だが、体内に毒素が溜まりすぎるとウィルスが働いても回復不能となって死に至るというものであった。なんとなくわかるような、わからないような説明だが、とりあえずよしとしよう。
浅井氏のSARSへの見解だが、ウィルスが原因のように報道されているが、本当の原因は食にあるという。浅井氏自身も香港に1年ほど住んだことがあるらしいが、現地の食生活はメチャクチャらしい。とにかく料理のほとんどに油をたっぷり使うという。そして動物の内臓とか得たいの知れない魚とかを油で揚げた料理が本当に多いという。こんなものを食べていたら絶対に長生きできないと思われる料理ばかりらしい。そしてここが肝心なところだが、SARSは北京や香港のような大都会を中心に蔓延している。これは近年驚異的な経済発展で、大都会に住む人々の食生活が急速に変わってきたことに起因しているという。貧しい時代は、穀物を中心とした質素な食事だったが、豊かになって前述のようなゲテモノに近い油料理を毎日食べるようになった。そこで急速に体内に、毒素が溜まっていったというのである。
毒素は肝臓で分解する。だが油は肝臓の働きを阻害してしまうという。肉でも魚でも、それ自体に脂分を多く含んでいる。それをさらに油で揚げるのである。それに肉類は血液を汚す。確かにそういったものを毎日食べていたら、そのうちおかしくなるのは容易に想像できる。
それゆえ浅井氏は出席した我々に対し、我々が北京や香港に住んでいる人達のような食生活をしていないということを前提として、「みなさんはSARSには感染しません」と言っていた。これが本当ならホッとするところだが、本当だろうか。浅井氏はまた、世界中が北京や香港のような食生活をしているわけではないという理由で、SARSが世界中に広まることはないと言っていた。だがこの浅井氏の話が本当だとすると、SARSが日本に上陸する可能性はあると言ってよい。現地に赴任している日本のビジネスマンは、現地の人と同じ食生活をしている可能性があるからだ。彼らがSARSを体内に抱えたまま、日本に帰れば、日本で同じ食生活をしている人間に感染する可能性がある。なにしろ現代の日本人の食卓に、油料理は本当に多い。外食すると定食はすべて揚げ物という店まである。さらに若者に流行っているファースト・フードは、ハンバーガーにしろポテトフライにしろフライド・チキンにしろ油物のオンパレードだ。そして肉類も本当に多い。私が以前、通っていた定食屋の店員さんが言っていたが、定食のメニューは肉料理でないと注文が減ってしまうのだそうだ。その店の定食のメニューは、鶏のから揚げとかコロッケとかトンカツといった油物が主流となっている(もちろん私は、そんな定食など注文することはない。仕方ないので焼き魚定食を注文するのだが、数が出ないせいか値段が高めである。私はこれが気に入らない)。
話はちょっと飛ぶが、沖縄名産の粟国の塩などは、塩分が85%、残り15%は海のミネラル分ということで、貴重で高級な塩として人気がある。だが15%もミメラル分があるということは、そこにたっぷりとニガリ成分(マグネシウム類)が含まれているので、こんな塩を使っていると短命になると浅井氏が説明した。そのとき、会場から質問が出た。
「ではなぜ沖縄の人々は長寿なんですか?」
という素朴な疑問だった。これに対して浅井氏はこう答えた。
「沖縄は老人を大切にするという昔ながらの良き風習が残っており、また気候が温暖でストレスの溜まらないという好条件があります。また沖縄の人はアグリの塩のような高級な塩は使っていません。我々と同じようにスーパーで売っている普通の塩を使っています。そして寿命が長いのは昔ながらの素朴な食生活をしている人々だけの話で、若者の寿命は急速に短くなっています。若者は昔ながらの沖縄の食生活をしていないからです。」
なるほどである。どうやら沖縄の若者は、本土の我々が食べているような油たっぷりの食事をしているらしい。だがそうだとすると若者を中心に、SARSが日本に上陸する可能性はありそうである。北京や香港においても、SARSに感染する人もいれば、感染しない人もいる。そういった人々の普段の食生活を調査してみたら、面白い結果が得られると思うのだが、そんな調査をした人はいないのだろうか。
浅井敏雄氏のSARSに関する独特の見解を紹介したが、本当に独特過ぎて本当かなという思いもある。だがSARSという世間の注目を集めている感染の広がりが今度どうなっていくかである程度判定できそうである。浅井氏によれば、北京や香港のような大都会でメチャクチャな食生活をしている人々のみ感染するというなら、世界的な大流行にはならないということになる。もちろんこのままSARSが沈静化しても浅井氏の言うことが正しいとは言えないが、結果を注目したいと思う。
いまや花粉の季節真っ盛りである。杉花粉はピークを過ぎたかもしれないが、ブナの花粉は今がピークだとニュースで言っていた。ちょっと前から口と鼻全体を白いマスクで覆った人をよく見かけるようになった。効果があるのですかと聞いてみると、大変効果があるという。マスクを取ったらひどいことになるという返事が返ってきた。
私は内心、「人間、贅沢をおぼえてはいけないなあ。昔はマスクなんてなかったんだから・・・」と思ったが、考えてみれば昔は花粉症もなかったのだ。
現代医学は進歩していると言う人がいる。でも読者の皆さんもご存じだと思うが、進歩したはずの現代医学が、花粉症の原因をつかめないでいる。アトピーもそうだし、本態性高血圧もそうである。だいたい糖尿病だってそうだし、現代人に大変身近になったこれらの病気の原因がわからないのが実態なのだ。これで”進歩した”などという表現を使うのは、私はちょっと気恥ずかしい気がする。私の実感は、現代医学は人間の生命の不思議をほとんどつかんでいないというものだ。
花粉症の原因がわかっていないものだから、その原因を色々な人が、色々と推察している。当ホームページの「金属除去大作戦」では、歯の治療に使われた水銀合金のアマルガムやパラジウム合金などの有害金属が原因ではないかという話をした。他には塩分の不足という人もいるし、食品に含まれる有害物質やNOXなどの車の排気ガスなどの大気汚染という人もいる。ここでは、最近私が注目している浅井敏雄氏の説を紹介したいと思う。
まず、花粉症でわかっている事実を紹介しよう。
・花粉症は昔はなかった。いつ頃から話題になったかよく知らないが、私が始めて知ったのはいまから20年ほど前のことで、ヨーロッパで花粉症が問題になっているという話であった。
・不思議なことに日本人が杉花粉の症状を起こすのは、日本に生息している杉だけである。外国の杉花粉では日本人は花粉症にならないそうなのだ(知ってました?)。
花粉症で苦しんでいる人達にとって、花粉は殺しても飽き足らないほどの憎たらしい存在に違いない。だが浅井敏雄氏によると花粉は、花粉症に苦しむ人にとって、実に有り難い存在だというのである。今までの花粉悪玉説と逆で、実に興味深いものがある。
現代の生活では、食品は非常に汚染され有害な毒物が大量に含まれている。肝臓や腎臓が体内に入ってきた毒物を無毒化するが、その量が多かったり、毒性が強くて全部は処理出来ないのが実態である。そうなった場合、体内でこれら処理しきれない毒物を体外に出す必要がある。例えばその一つが風邪という現象で、インフルエンザウィルスなどを体内で活発化させ、咳や痰などで強制的に外に出すようにするというのである。花粉もその一つで、体内で処理しきれなくなった毒物を、杉花粉でアレルギーを起こすことによって、涙や咳、痰とともに外に出しているというのである。この説によると、花粉症にかかる人と違い花粉症にかからない人がいる理由は以下のようになると思われる。
1)体の排毒作用が一般の人より活発な人は、同じ食品を食べていても体に毒が溜まらないので花粉症になる必要がない。
2)毒物が含まれていない清浄な食品を食べている人は、体に毒が入らないのだから花粉症にならない。
3)人は敏感な体質の人と、鈍感な体質の人がいる。ちょっとでも体内に毒が入ると、それを体の外に出そうと重度の花粉症になる敏感な人もいるが、全くならない人もいる。毒物が含まれている食品を食べていながら、全くならない人は、極めて危険である。毒が体に溜まっていくのみで体外に排出されないからである。そして本人にその自覚症状がない。よく健康そのもので病気一つしたことのない人が、あっけなく死んだりすることがある。これはこうした理由によると説明できる。
上にあげた3つの理由のうち、3番目は重要である。よく病気がちでいつ死ぬかわかないような人が意外と長生きしたりする。これは小さな病気を重ねることで、その都度体内に溜まった毒物を外に出しているからと説明できる。浅井氏はさらに、男女間の寿命の差もこれで説明できるという。同じ食生活をしているのに、女性は男性より常に2,3歳寿命が長いが、これは女性が月に一回の生理によって、定期的に体内に溜まった毒を体外に出しているからだというわけである。
ちょっと脱線してしまうが、癌の転移もこれで説明できるという。癌の腫瘍は、体内で処理しきれなくなった毒を一箇所に集めて他に害が広がらないようにする体の防御システムの現われということである。そうしないとあっという間に人間は死んでしまうことになる。それゆえ西洋医学による人体を切り刻む手法により癌細胞を摘出してしまうと、確かに一時期は毒がなくなるので回復したようになる。しかし同じ食生活を続けて、体内に毒物を取り込み続けると他に癌の腫瘍をつくらなければならなくなってしまう。これが癌の転移といわれるものになる。さらに手術によって体の一部を切り取ってしまうと体力が非常に落ちるそうだ。つまりさらに病気に対する抵抗力が弱まることになる。小さな癌ならいいだろうが、大きな癌を切り取る大手術をした人は、たいてい亡くなることになる。これらの理由から、癌になったら手術をしないで、食事療法によって直すというのが本筋という説も成り立つと考えられる。
風邪もまた、毒物排出のための有効な手段という主張に、私は納得する体験がある。小学生の頃、風邪を引いたのだが、非常に症状が重い日があった。それまでそんな経験はなかったのだが、吐き気をもよおし、胃の中に入っていた大量の黄色い液体を吐いたのだ。ところがその後嘘のように元気が出て、その日のうちに治ってしまった。これは体内に溜まった毒物を、嘔吐という手段で外に出したからだと思える。浅井氏によると、鼻血もそうだという。悪い血を出しているからだというのだ。さらに切り傷などの外傷までそうだという。交通事故などの外傷で大量の血を流すのは、それだけ体内の血の汚れがひどいからだというのである。悪い血が少ない人が、小さな怪我ですむというわけだ。しかしいくらなんでも、ここまでくるとホンとかなという気がしてくる。
さて私は、今年の春は例年になく花粉症の症状が軽い。完治というわけにはいかないが、例年だと、目は痒いし、くしゃみや鼻水が止まらず、テッシュは常備していないとどうしようもないという状態である。だが、今年はその症状がだいぶ軽い。自分でもそう感じているし、私の重度の花粉症を知っている人からは、ずいぶん楽そうだと何回か指摘された。今年が例年になく花粉の飛散量が少ないかというとそうなこともないというから、確かに良くなっているといえる。
歯から有害な金属を全部取り去ったからかと人に聞かれるが、それだけではないような気がする。というのもここ数ヶ月は、毒性の強い食べ物はなるべく食べないようにしているからである。1週間ほど前だが、スーパーで買い物をしていると、美味しそうな牡蠣が目についた。牡蠣にはこれまで何回かあたっているのだが、私は牡蠣が好物なのだ。海産物はダイオキシンの汚染があるので、ここ数ヶ月はなるべく食べないようにしていたのだが、つい誘惑に負けて(私は誘惑に弱い)買ってしまったのだ。牡蠣の毒は火を通してもダメとは聞いていたが、生よりはいいだろうと鍋にして食べてみた。ひさびさの牡蠣だったが、ちょっと変な味がした。少し臭みがあったのだ。でもまあ、食べられないほどではなかったので、「いいや、食っちゃえ〜」と食べてしまったのだ。その翌日からである。吐き気や下痢はしなかったので、牡蠣の毒にあたったわけではないだろうが、お腹が少し痛くなった。そして重度の花粉症の症状が出てきたのである。その日は一日中、「へ〜くしょん」とやって一日でテッシュを使い切るような勢いで鼻をかむはめになった。次の日も、前日よりはひどくなかったが症状は続いた。3日目になるとやっとそれまでの普通の状態に戻ったのだ。その日に花粉が劇的に減ったという話は聞かないから、私の体調(毒の含まれ具合)によって症状が変わったといえないだろうか。
花粉症が体内に溜まった毒を外に排出する体の防衛反応ということを前提にするなら、冒頭に挙げた花粉症に関する2つの事実はうまく説明できる。花粉症は昔はなかった。昔は現代のように食品が汚染されてなかったのだから当然だ。2つ目の日本人が日本に生息している杉だけに花粉症の症状が出るというのは、こう説明できる。その地の自然環境が、そこに暮らす生命を形造る。何千年と日本列島に暮らしてきた日本人が現代に至り、食品に含まれる深刻な毒の攻撃を受けるようになった。そこで日本に生息する植物(杉花粉)によって、アレルギー反応を起こし、体に溜まった毒を排出するようになったと考えれば納得いく。身土不二という言葉がある。その地で育った食物を摂るのが一番体にいいというのは、その地の自然環境で最適な生命形態が発達してきたのだから当然なのだろう。
浅井氏の説を紹介したが、もちろん医学的な検証が行われたものではない。だから自分の体験を通して推測するしかないが、私は浅井説に、説得力を感じている。
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