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アンティーク・コイン...2013年5月22  


タカシ記

本山よろず屋本舗情報です。

http://motoyama.world.coocan.jp/info_9.htm#info_917


アンティーク・コイン...2013年5月22日

○破綻した私の老後の生活設計

 通常のサラリーマンであれば国民年金(基礎年金)にプラスして厚生年金に入っていて、老後はそれなりに安定した生活が見込めます。

 しかし私は自営業者なので、一階部分と言われる国民年金しか入っていません。

それゆえ老後の生活のために、年金に相当するものを考える必要がありました。

 そこで私は海外のファンドと呼ばれるものに投資することにしました。

 以前会員になっていた経済評論家の勉強会で勧められたからです。

そのファンドの特徴は人間が投資するのではなく、コンピューターによって投資を行うもので、年によってアップダウンはあるものの5年〜10年という長いスパンでみれば、上昇するのは確実だと言われていました。

人間が投資するのではなく、機械が行うのですから私はむしろ安全ではないかと考えました。

また株のように値段の振幅が激しいものでなく、確実に上昇を見込めるということで、年金として最適だと思えたのです。

 そうした私の思惑は、当初はうまくいきました。

 急激な上昇はありませんでしたが、着実に年に数パーセントの上昇をしていました。

またその時は為替も円安に振れ、運用益のみならず為替差益もあり、私は大いに満足していました。

 しかしそうした流れが一気に逆流するときが来ます。

2008年秋のリーマンショックです。

 私が投資したファンドは暴落したうえに、為替も猛烈な勢いで円高に振れました。

それまでの運用益が運用損となり、それに為替差損が加わり、投資した額の半値になってしまいました。

それでも時間が経てば、値段は戻ってくるだろうと期待したのですが、リーマンショック後は、値段は地を這うような動きとなり、全く戻りませんでした。

私は2つのファンドに投資したのですが、そのうちの一つが去年(2012年)の夏に満期となり、清算されてきました。

結果は半額以下です。

生々しいですが実際の損失額を言いますと、213万円の運用損です。

 もう一つのファンドも、投資額の6割程度に目減りして、これまた地を這うような動きです。

去年の秋から欧米各国は株高で湧いているのに、なんでこんなに低迷するのかと不思議です(トレンドフォロー型のファンドなのに株高のトレンドに乗れていません)。

このファンドを解約したら100〜200万円の損失は確実です。

 こうして私の老後の生活設計は、もろくも崩れてしまいました。


○何かないか


 ファンドでの老後の生活設計は破綻しましたが、何もしないわけにはいきません。

 大きな損失を抱えてしまいましたが、私は確実に歳をとるのですから、何か年金代わりとなるものを探さなければなりません。

 ここで多くの人は金(キン)を思い浮かべるかもしれません。

私も金(キン)は現物であれば有望だと思いますし、実際に持っています。

ただやはり金(キン)にも欠点があって、相場の中で値段が決まる以上、アップダウンするのは避けられません。

 金(キン)は毎年生産されます。

 中国、オーストラリア、アメリカなどが主要な生産国ですが、年間2500トンぐらい生産されます。

工業製品や宝飾品として消費される一方、供給が毎年あるので必ず上がるというものでもありません。

また金に関して気になることを言う人もいます。

今の世界の金(キン)の総量は公式には15万トンと言われていますが、副島隆彦氏は実際は50万トンあるだろうと言っています。

ベンジャミン・フルフォード氏はもっと多いと言っています。

そしてこれまで市場に流通してこなかった金(キン)が表に出てきて流通しだすと、金は暴落すると言っています。

こうした話の真偽を確かめるすべはありませんが、気になるところではあります。

 年金として期待するなら、急激な上昇はなくてよいから、毎年少しづつ確実に上がることが望まれます。

 そしてインフレに強いという絶対的な条件があります。

年金として怖いのはなんといってもインフレです。

せっかく積み立てたものが、インフレで価値を失ったら悲惨の一語です(その点では、私はアベノミクスが将来、急激なインフレを招く可能性を懸念しています)。

 2008年のリーマンショック以来、私はそうした年金の代わりになるものはないかなあ、と考えてきました。

 でも全然見当たりません。

そのうち、そんな上手い話は世の中にないのだろうと考えるようになっていきました。

そんなときに出会ったのが、加治将一(かじまさかず)氏の『カネはアンティーク・コインにぶちこめ!』(東洋経済)だったのです。

 ここではアンティーク・コインを実際にやった人々の体験談を、本から3つ取り上げて紹介したいと思います。


○コイン・コレクターの体験


 最初は、普通のサラリーマンをしていてコインを趣味で集めていた男性の例です。


 ・・・<『カネはアンティーク・コインにぶちこめ!』、p76〜p79から抜粋開始>・・・


 小学生のころから切手を触っており、コインにも興味はありました。

 きっかけは、ソ連に捕虜として拘留されていた父からロシアの古いコインを貰(もら)ったことです。

 サラリーマンになって、付け足すようにコインをせっせと買いはじめたのです。

 女房からはゴミ扱いされていましたが、月4、5万円の小遣いの範囲内で買っていたので、文句は言わせません。

 年代は15世紀から20世紀のロシア・ コインでしたが、当時は安いこともあって、数多く買えました。

 25年間で、投下資本は1500万円くらいでしょうか、いつの間にか枚数が2000枚近くになっていました。

 そのころ、家族の一人が大病に陥り、急に治療代が必要になって、手持ちの半分をオークションで売りに出したのです。

 目の前でどんどんと値が上がり、結果はなんと、1億8000万円です。

まるで夢のような出来事で、妻と私は手を取り合って泣いたものです。

 みなさんにぜひお伝えしたいことは、僕のような一介の月給取りでも、億万長者になれるということです。

 私の場合は月平均5万円ですから、車の維持費以下です。

 車を25年間持っていてもなにも残りません。

ゼロ円です。

しかしコインは1億8000万円の現金をもたらし、まだ家には1000枚近いコインが残っているのです。

 一度、おやりになれば分かると思いますが、一度コインを買いはじめると、無駄遣いをしなくなります。

 居酒屋で一杯やるくらいならコインを買う。

車を買うならコインを買う、といった案配です。

 節約に苦痛はありません。

趣味人の感覚とはそういうものだと思います。

コレクションが増える充実感と達成感は、幸福感に包まれることはあっても、酒が少々飲めないからといって、車が買えないからといって、惨めなことはありません。

逆に節約が楽しいのです。

 サラリーマンですから高い金貨には手が出ず、シコシコと安い銀貨と銅貨ばかり狙っていたのですが、これが時期的にかえって良かったのだと思います。

 夢のようなお力ネを手にしたということもさることながら、感激したのは長年のコレクションが、世界のバイヤーにこれだけ評価されたということです。

そして家族を救えたことです。

 今は早期退職し、これからは残りのコインを整理しつつ、ロシアのコインについて論文でも書きたいと思っています。


◎自分にとってコインとは?


 歴史に、参加しているという充実感です。

 それとこれからは、ますます厳しい時代になると予見しているので、他のどんな年金よりも高額な、頂点に君臨するがごとき年金として心強く思っています。

 残りの1000枚は、そんなに期待はしておりませんが、4000万〜5000万円にはなります。


 ・・・<抜粋終了>・・・


 これほど成功した例は珍しいと思います。

 ソ連崩壊後に崩壊したロシア経済ですが、プーチン政権となり原油高の恩恵もあり、ロシア経済は急速に回復します。

 金持ちが増えると、どこの国でも同じですが、コイン収集が活発になります。

最近ではロシアや中国のリッチ層が、大量にコイン市場に流れるようになりました。

この男性は、そうした流れに乗った成功例と言えます。

 では次に中国人のコイン・コレクターの証言です。

 ・・・<『カネはアンティーク・コインにぶちこめ!』、p118〜p119から抜粋開始>・・・


 私は中国人です。

 リーマン・ショック以降のヨーロッパ経済危機は、我が国を直撃しました。

 輸出が止まり、工場が潰れ、労働争議がいたるところで勃発しております。

ですから、身の危険を感じて、夜逃げをする経営者があとを絶ちません。

 賃金が支払えなくなると、決まって起こるのが暴動です。

 チベット、ウイグル、内モンゴルの民族暴動も深刻で、政府は必死で押さえにかかっていますが、そうそう力で押さえきれるものではありません。

 政府内の派閥対立も激しくなっています。

 国は、問題を極端に小さく見せかけておりますが実際は違います。

 今、我が国で起こっていることは波状的なクラッシュです。

 幸いなことに、私は真実の見える政府筋の近くにいますので、2、3年前から危機は感じていました。

 この先、国はどうなるのだろう、「元」を持っていてもどうにもならないのではないか。

不安でいっばいだった私は、秘かに政府の高官から古銭を教えられました。

 親類も含めて、自分たちのあらゆる預金や不動産、債券を洗い出し、そのすべてをコインに変えることにしたのです。

 2年前から東京の、とある古銭商から買っています。

 買った古銭はそのまま、東京の貸金庫に預けているので、なにかあった場合、身一つで国から逃げられます。

 私の場合は、信じている古銭商に全部まかせていますが、自分の国のものではなくヨーロッパとアメリカの古銭を中心に買ってもらっています。


◎自分にとってコインとは?


 「元」に変わる通貨、希望の星です。

 もっとたくさん買いたいのですが、古銭商の方が慎重で、ちゃんとしたものを厳選しているらしく、まだ2億〜3億円しか買えていないのが歯がゆい思いです。


 ・・・<抜粋終了>・・・


 最後は、日本人投資家の証言です。


 ・・・<『カネはアンティーク・コインにぶちこめ!』、p158〜p160から抜粋開始>・・・


 性格はめちゃめちゃ慎重です。

 長い間株、債券、外為を手掛けてきましたが、石橋を叩きすぎて壊してしまうくらい慎重だったからこそ、この不況でも火傷は軽くて済んだと思っています。

 私の興味は投資、それだけです。

こう言ってはなんですが、コインそのものに興味はありません。

儲けるための手段と考えています。

 ですから今からでも、株が儲かるというなら株に鞍替えしてもいっこうに差し支えないくらいですが、はっきり言ってここまでおかしな時代になってしまっては怖い。

 恨みがましいようですが、問題は日本人の気質です。

 典型的な貯蓄型の民族なので、株式投資はなじめません。

 一人あたりの投資金額は、アメリカ人の50分の1にも満たず、日本株の世界では、終始一貫しての頼りは外国の機関投資家なのです。

ですから今さら日本人を喚起して、株式投資に向かわせるには限界があり、その点、コインは外国人と共通の商材ですから、日本人を当てにしなくてもいいのです。

 日本の畑は小さい。

広大な外国のコイン畑から果実をもぎ取る作戦です。

 コインが外国で値上がれば、インターネットで世界中がその値段になります。

 とりわけギャンブラー気質の高い国家、中国、韓国、ブラジル、インドなど新興国がぐんぐん台頭し、彼らに引きずられた価格がすぐさま顕著に市場に反映されます。

 投資の基本はローリスクかつハイ・リターンですが、これを期待できるのは唯一コインだけで、今のところライバルは見当たりません。

 私が今まで、あらゆる投資を手掛けてきた結果の結論です。

 日本人は、コイン投資についてはだれも知りません。

 少なさと言ったら、周りに砲丸投げや槍投げの趣味の人がいないのと同じくらいです。

 外国では古銭学という学問があり、子供にコインを持たせて経済を学ばせるほどの身近さですから、まったく距離感が違うのです。

 主に東京、ニューヨーク、ジュネーブ、チューリッヒのオークションで買っています。

 最初は目利きがなかったので、信頼のおけるディーラーにくっついて回り、一緒に買ってもらっていましたが、オークションの世界はきわめてオープンで、アメリカン・へリテージという大きなディーラーなどがインターネット上で価格を公表している関係上、今では、ほぼ値段が読めるようになりましたので、これからは6〜7割を自分で買い付けたいと思っております。

 買ったコインは、スイス銀行の貸金庫に預けています。


◎自分にとってコインとは?


 投資の商材です。

それ以外にありません。

 簿価ではほぼ8億5000万円ですが、年に平均2〜3割は上がっているので11億円にはなっていると思います。


 ・・・<抜粋終了>・・・


 私(本山)は当初、コイン集めは子供がするものだという感覚がありました。

 私も小さい頃に切手を集めたことがあり、そうした趣味感覚の延長線上としてコイン集めをイメージしました。

それゆえこうした人々の体験談を読んで、非常にびっくりしたのです。

私の全く知らない世界でした。

ふと、あの神秘家のゲリー・ボーネルさんもコインを収集しているという話を思い出しました。

 私にはファンドに投資するよりは、アンティーク・コインの方が年金代わりとして有望に思えたので、少しづつやってみることにしたのです。

でもすぐ壁にぶち当たることになりました。


○世の中、そう甘くない


 まず何処の国の、いつの時代のコインを狙うかですが、私は加治氏が指摘するように日本の古銭は全く考えませんでした。

 加治氏によると、コイン・コレクターは全世界で推定300万人ほどいるが、日本のコイン・マーケットは世界に比べて相当に小さいんだそうです。

せっかく数百万円や1千万を超える大判小判を持っていても、いざとなったときに売れなければ意味がありません。

その点で、日本のコイン・マーケットが小さいのは、致命的だといいます。

日本の古銭をやるなら、あくまでも趣味の範囲に留めた方がよさそうです。

 競合する人が増えると困るので具体的な国名や時代は言えませんが、私はある特定の国の、特定の時代に狙いを絞り、少しづつ買ってみることにしました。

 するとあっという間に、壁にぶち当たりました。

 物が無いのです。

買いたくても、買えないのです。

大手のコイン商の店を何軒も回りました。

それでやっと少し買えたぐらいです。

 何度も店に足を運んだので、だいぶ親しくなった店員さんから聞いたところによると、私が狙った国と時代のコインは、そもそもほとんど日本に無いと言われました。

集めるなら年に数枚ぐらい入荷があるので、それを狙うか、あるいは海外のオークションしかないといいます。

やっぱり、世の中には上手い話はないんだなあと、しみじみと思いました。


○結論

 念のために言っておきたいのですが、私はこの記事で訪問者の方々にアンティーク・コインを勧める気は全くありません。

むしろ私と同じように、壁にぶち当たるので、やるなら覚悟する必要があると強調したいと思います。

 アンティーク・コインが年々上昇するのは大きな理由があります。

それは需要と供給の内の供給がないからです。

あるとすれば遺跡が発掘されてコインが大量に出てくるケースですが、あっという間にコレクターに吸収されてしまうそうです。

高額のコインは金持ちコレクターで吸収され、それ以外は市場に出ればすぐ売れてしまうそうです。

この点が毎年生産される金(キン)との大きな違いです。

 繰り返しますが、私はアンティーク・コインを人に勧めません。

いえむしろ人に勧めたくない、という思いです。

この記事は、世の中には、妙なものに夢中になる人間がいるものだという感覚で読んでいただければと思います。

 でも私は続けるつもりですが・・・。


 来月(6月)早々に、フランスでオークションが開かれます。

 私はそこに出品されるあるコインを落札すべく、指値を入れました。

私としてはぜひとも手に入れたい一品なのですが、コイン商の店員さんは、「この国のこの時代のコインは人気がありますからねえ・・・」と厳しい論調でした。

それでかなり高値で入れたつもりですが、指せるかなあ〜。


「アンティーク・コイン」に関するメール

 5月22日の記事「アンティーク・コイン」に関して、訪問者の方(この方は私が主催するスピリチュアル会のメンバーでもありますが)からメールをいただきました。

 家の納戸から日本の古銭が出てきたそうです。

 ご本人の許可が得られましたので、ここで紹介したいと思います。


 ・・・<「アンティーク・コイン」の記事に関する訪問者の方からのメール開始>・・・


本山さん、こんばんわ^^○○です。

今度のホームページの記事を見て参考までに と思いメールしました

3年前に家の納戸に寛永通宝が2キロ分くらいあるのを 発見したのですがただ珍しいというだけで その価値がわかりませんでした

日本中にまだたくさんあるとか言われていますから オークションではキロ単位でまとめ売りする人がいます 私と同じく価値を知らない方が多いのでしょう

寛永通宝といっても昭和初期まで使われていたものから 輸入のものまでさまざまで 厚さや大きさが微妙に違っていたり 穴の形や掘ってる文字も違うものまでありました

オークションでは1枚につき数百円〜数千円で取引されていたり キロ単位では数万円程度での取引ですが 古銭商の販売サイトでは1枚で数千円や万単位〜ウン十万円のものまでありました その価格に驚きました

それでも結構売れているようです

世界的に日本ブームが起きてきていますよね 世界で日本の古い家具が喜ばれているとか 古武道も盛んだったりしていますが その点でも 日本の古銭はこれからもっと値が上がるのでは と思っています オークションで見ても 3年前に比べてずいぶん値が上がってきていましたよ


○○

追伸


指値うまくいきますように。。と祈っています^^。

 ・・・<メール終了>・・・


 家の納戸から古銭がざっくり出てくるなんて、きっと金持ちの家系なのだろうと思って聞いたら、そうではないそうです。

 この方のひいおばあさんが、へそくりで貯めてたものだそうです。

その証拠にひもに通して2重箪笥の奥に保管してあったそうです。

 また寛永通宝は、今でいえば50円とか100円硬貨みたいなもので、あの銭形平治が投げていたものらしいとのこと。

 でも家の奥から、アンティーク・コインが出てくるなんて、夢のある話だなと思いました。


(2013年5月25日)



Mail→takashi@bb-unext01.jp