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NO 8074   

霊能捜査官アンジェラ・マッギー  


タカシ記

本山よろず屋本舗情報です。

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霊能捜査官アンジェラ・マッギー

 日本では聞きませんが、欧米では犯罪捜査にサイキックの力を借りるのは、ままあるようです。
 もちろん私は詳しくはないのですが、犯罪捜査に協力したと証言する欧米のサイキックが日本のテレビに頻繁に登場した時期があったので、そうだろうと思っています。
 今回紹介するイギリスのアンジェラ・マッギー女史も、そんな犯罪捜査に協力しているサイキックのようです。
 ただし犯罪捜査専任というわけではなく、普段は一般のクライアントのセッションを行っているようです。
 本は、『霊能捜査官アンジェラが語るスピリット(魂)との融合』(アンジェラ・マッギー著、ヒカルランド)で、今回は犯罪捜査ではなく、一般のクライアントとのエピソードから、3つほど私が印象に残った話を紹介しようと思います。

 話を紹介する前に、前置きとして私の考えを述べたいと思います。
 ゲリースクールで学んだという理由だけではないのですが、私はゲリーさんが言うように、人間は以下の3つの要素で構成されていると考えています。

@ 魂(トライヤード)

A スピリット(ダイヤード)

B 肉体

 トライヤード、ダイヤードというのはゲリーさん流の言い方で、ここでは魂とスピリットという言い方にします。
 多くの人々のスピリチュアルな理解は、人間とは肉体に魂が宿ったものというイメージだと思います。そして(本の題名がそうであるように)魂とスピリットはイコールだという理解が多いと思います。それゆえ肉体に2つの意識体が宿っているというと、違和感を覚える方が大半だと思います。
 私はゲリーさんが言っているからではなく、私自身の体験から人間には2つの意識体が宿っていると考えています。

 私が前々から感じていたことは、人間には2つの意識体が宿っているのに、多くの人は1つの意識体と思っているので、混乱が生じているということです。
 自殺は、その典型的な一例だと考えています。

 ではまず、アンジェラ・マッギー女史の本から抜粋して紹介します。
 アンジェラ女史の娘さんがサッカーの試合を行う為にチームメイトとバスで旅行している時の出来事です。そのバスに保護者としてアンジェラ女史や、他のチームメイトの保護者も同席しています。


 ・・・<『霊能捜査官アンジェラが語るスピリット(魂)との融合』、p92〜p96から抜粋開始>・・・

 自殺者の死後はどうなるのか?

 パリに着く前日の夜のことでした。バスの中で眠っていると突然ある声が聞こえたのです。目を開けると十代くらいの男の子のスピリットが私の目の前に現れ、こう言い残してスッと消えました。
 「もう我慢の限界だったんだ」
 彼のその言葉から、きっと自分で命を絶ったのだと直感しました。14歳くらいだったでしょうか。一体なぜ、彼は長距離バスで寝ている私の前に現れたのでしょうか? なぜ、このタイミングで? 考えた末に、多分、彼の身内の人が数日後に霊媒セッションを予約する前ぶれだという考えに落ち着きました。こういうパターンは、過去に何度も起こっているからです。
 ところが、翌日、娘のチームメイトの保護者の母親、ジュリーと話をした時、思わぬところからその理由がはっきりしました。私が霊能者だということは、チームをはじめ、保護者たちもみんな知っていたので、ジュリーは私にいろいろな質問をしてきました。
 「あなたって霊能者でしょう? 分かりやすく言うとどんなことをするの? メッセージはいつも聞こえてくるの?」
 初めは好奇心からこんな質問をしていた彼女は、どんどん深いレベルの質問をするようになり、霊界について真剣に尋ねるようになりました。
 「ううん、霊能者であることは私の一部だから、メッセージ受信のオン・オフはできないわ。私は現世と霊界をつなげる役割を授かり、その使命を果たすために生まれてきたと思うの。こちらから交信をお願いすることもできるけれど、すべては霊界に委(ゆだ)ねてあるわ。予期せぬ交信が起こる時もあるのよ」
 例えばと言って、前日のある少年のスピリットの話をしたのです。するとジュリーはこう叫びました。
 「ストップ! ちょっと待って! 寒気がしてきたわ。あなた、知ってたの?」
 「知ってたって何を?」
 「昨日の夜、バスの一番前に座っていた父親に、彼の親友から電話があったの。その人の14歳の息子さんが、自殺したらしいの」

 私はジュリーに、話した内容について誰にも言わないでほしいと伝えました。あまりにも急な出来事で、心の準備ができていないと思ったからです。彼女は自殺について、次のような質問をしてきました。
 「自殺をした人たちは天国へ行けないとか、罰として居心地の悪い場所でずっと過ごさなきゃならないとか聞くわ。自ら命を絶つという究極の罪を犯して神の愛に背いたせいで。それって本当なの?」
 「いいえ、まったく違うわ。霊界から与えられた知識やこれまでの私自身の経験で言うと、自殺をした人たちは、まったく罰を受けないわ。実際、その人たちのスピリットは霊界で癒しに包まれることになるの。病気で亡くなった人たちと同じような扱いを受けるのよ。神をはじめ、すでにそこにいる家族や愛するスピリットたちの愛で癒されることで、苦しみから解放されるの」
 さらに、自殺したいと思う気持ちは病的な鬱の症状の一つだと科学的に証明されていることも話しました。何年か前までは、自殺という行為は正しく理解されていませんでした。自殺をした本人は地獄へ落ちる。そして、その家族は、大きな負の烙印を背負って生きていくことになると考えられていたのです。悲しいことに、この浅はかで偏った考え方は今も残っています。
 自殺について、私たちは態度を改めなくてはなりません。自殺したこの少年には、何の罪もありません。他の理由で天国へ行った人たちと同じ扱いを受けるのです。それどころか、天から最高の愛を受けられます。まず霊界に着くと、彼らはこの世で言うと病院(「ヒーリング・ルーム」と私は呼んでいます)へ導かれます。そこでしばらく癒しを受けた後、霊界で役割を果たすか、順番に生まれ変わってこの世に戻ってきます。
 愛ある思いや祈りをこの男の子に届けることで、大きな癒しになるとジュリーに伝えると、彼女はこう聞きました。
 「ヒーリング・ルームって何? どうしてそんなことが分かるの?」
 私はある男性に霊媒セッションをした時のことを思い出しました。セッションを始めたとたん、何気なく出た私の言葉が、「あなたはヒーリング・ルームへ行ったことがあるでしょう?」でした。もちろん、彼はびっくりしていました。同時に、その彼が複数の出入りロに面している廊下を歩いていて、その中の一つの部屋へ入っていくのが見えたのです。その部屋には無数の光が差し込んでいて、ベッドに横たわる彼の周りを、愛する家族や親しい関わりのあったスピリットたちが囲んでいるのが見えました。その内容を男性に伝えると、驚きを隠せない様子でこう言いました。
 「それだよ、その通りの光景を見た……。僕が感じたのとまったく同じだ!」
 「すべてバイク事故が関係しているようね」
 彼は1年半前にバイク事故に遭い、何週間も危篤状態だったそうです。私のところへ来たのも、命を取りとめた理由とその不思議な夢について詳しく知りたかったからでした。彼がこの世へ戻された理由は、霊界の存在について人々に伝えるためだったのです。今後、スピリチュアルな世界の知識を広める手助けをすることになると、彼に伝えました。
 この話をジュリーにすることで、自殺とヒーリング・ルームについて理解してもらえればと思いました。
 「すごい! でも正直言うと理解しにくいわ。何か証明してくれるものが少しでもあれば、素直に信じられるのだけれど……」
 彼女が言っていた「何か証明してくれる出来事」が起こったのは、それから間もなくしてからでした。ジュリーは私の霊媒セッションを受けた時、祖父のスピリットから私的なメッセージを受け取ったのです。そして今や彼女は、スピリチュアルな世界の教えを説くメッセンジャーになったのです。自殺した人たちが霊界でどのような扱いを受けるのか、その知識を広める活動もしています。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 私は、自殺に関するアンジェラ女史の話に基本的に異論はありません。
 自殺であっても病気の死と同様に、ヒーリング・ルームで手厚い看護を受けるのだろうと思います。
 ただし私は、それは@の魂に関することだという注釈をつけたいのです。ではAのスピリットに関しては、どうでしょうか。
 自殺したスピリットは、自殺した状態のそのままの意識であちらの世界に旅だち、自分独自の環境を作り出して、その中に引きこもるケースが多いと思っています。
 多くのサイキックがそうした状態を見て、”地獄”と名付けたのだろうと思います。そうした証言は実に多くて、エマニュエル・スウェーデンボルグ氏の本などは、その一例だと思っています。
 ただし私は、閻魔様が罰を与えるような地獄は存在しないと思っています。あくまでも自分の意識がその周りにそうした世界を作り出し、時として何百年もの間、その中で苦しむスピリットがいるのだろうと思っています。
 私がそう考えるのは、私自身の体験があったからです。
 ヘミシンクの手法を発展させて、機器を使わないであちらの世界に旅する手法を編み出したブルース・モーエンという人がいます。
 私はモーエンさんが日本で開催したワークショップに参加しました。
 ワークショップでのミッションは、あちらの世界で苦しんでいるスピリットを救い出すというものでした。私は、自殺ではないのですが、捨てられ寂しく死んだらしいサーシャという名の幼い女の子のスピリットを救い出すミッションを行いました。
 さらに、ワークショップで教わった方法で、自殺したテニス仲間を救い出そうと試みて、あちらの世界に行ったことがあります。
 しかし残念ながら私はその人からの信用が全く無かったようで、私がいくら問いかけても返事がもらえず、(相手はただ当惑した感じで私を見ていているだけで)仕方なく諦めて帰ってきました(失敗のミッションでした。一つ付け加えると、サアラさんによれば、こうした幽界は今はかなり浄化されて無くなっているそうです)。

 ある人は自殺してもヒーリング・ルームで手厚い看護を受けると言い、ある人は地獄のようなところで苦しむと言っています。こうした矛盾は、人間には魂とスピリットという2つの意識体が宿っていると考えれば、すっきりするのではないかと思うのです(自殺だけでなく、人間には2つの意識体が宿っているという前提がなければ、説明がつかないことが他にもあります)。
 もちろんこれは(ゲリーさんから伝授された)私の考え方であり、これが正しいと主張するつもりはありません。また時と伴に、こうした理解もブラッシュアップされて変わっていくかもしれないことを、お断りしておきます。

 自殺という暗い話題になってしまったので、明るい話題をあと2つ紹介したいと思います。
 ほっこりするような話題です。


 ・・・<『霊能捜査官アンジェラが語るスピリット(魂)との融合』、p103〜p197から抜粋開始>・・・

 ハードな一日の終わりに

 レストランで出会ったビジネスマン

 忙しい一日を終え、ようやくリラックスしようとする時、スピリットたちはここぞとばかり話しかけてきます。
 午後に教会での奉仕活動を終え、夜はリバプールで霊媒コミュニケーションのショーというハードな日。その夜、仕事を終えて友達とオシャレなレストランで夕食をとる約束をしていました。忙しい日常からほんの少しエスケープする時間を持つことは大切なこと。長時間、霊界と関わっている私の場合、この世にチューニングをして現実に戻るまでに何時間もかかることがあるのです。そのために欠かせないリラックス法は、おいしい料理と大好きな友人との会話。おかげで、こんな忙しい日だって最高の気分で終われるのですから。

 その日は土曜日、友人のマリリンと私は夜も深まる頃、ようやくレストランに到着しました。もうほとんど人はいなかったのですが、ウェイターは快く私たちをテーブルに案内してくれました。注文を終えると、一人の小柄な男性が、ボディー・ガードのように大柄な男性二人に挟まれ、レストランに入って来ました。そのスマートな着こなしをした男性は、どこか有名人のようなオーラを醸(かも)し出していました。腕には、ダイアモンドびっしりの金の腕時計……。言うまでもなくお金持ちの証。他にも空いているテーブルはたくさんあるのに、なぜかウェイターは私たちの近くのテーブルに案内したのです。
 「やあ、こんばんは!」
 リバプール独特のアクセントで、彼は話しかけてきました。両脇にはうなずき微笑むボディー・ガードたち。私たちが微笑み返すと、その男性は調子に乗って椅子を近づけできたのです。
 「きみたち、どこから来たんだい?」
 リバプール訛(なま)りで聞かれ、マリリンはつっけんどんな態度で答えました。
 「バーミンガムですけど」
 「じゃあどうしてリバプールにいるんだい?」
 「私の友達がちょうどショーを終えたところなの」
 「へえ〜。どんなショー?」
 「彼女は霊能者なのよ」
 彼は、思った通りのよくあるリアクションをしました。
 「ワオ〜、すごいね! じゃあ僕のこと何か分かる? 自己紹介まだだったね。僕はハリー」
 「ごめんなさい。今は友人とゆっくり食事を楽しみたいんです」
 私はできるだけ丁寧に断りましたが、お酒が入ったせいか、彼は数分後にまた同じことを聞いてきました。
 「何でもいいから、僕について言ってほしいなあ。たのむよ」
 霊能者や霊界について興味はあるが、忙しすぎる仕事のせいで今までトライする機会がなかったのだと言います。加えて、マリリンも何か言ってあげたらと言わんばかりに目くばせしてきたので、私はついに降参しました。本日最後の力をふりしぼって、意識を集中してみることにしました。
 「スペインのアラカンテ地方と何か関係しているかしら?」
 「オーマイゴッド! 来週そこへ行くんだよ。他の国も行くけど?」
 「香港かしらね」
 「驚いたね! 2週間後に行くよ。君ってすごいね〜」
 彼が4つのビジネスを掛け持ち、成功していることも当てました。両脇のボディー・ガードたちは微動だにせず話を聞いています。ハリーはとにかく人なつっこくてチャーミング。これこそ、ビジネス成功のカギということかもしれません。
 すると、ハリー自身についてあることを感じ取り始めました。地位も権力もある彼の本当の姿は、極端な寂しがり屋だということを。そのユーモアとウィットに富む話し方の奥には、寂しさが隠れていたのです。ハリーにある質問をすると、人なつっこい彼の表情がガラリと変わりました。
 「あなたの妹さんはもうこの世にいないわよね? もし彼女のスピリットがそれを望めば、最高のタイミングにあなたにメッセージをくれるはずよ」
 一日を締めくくる、最高の料理と大好きな友達とのこの時間を朝から楽しみにしていた私は、遠慮がちにこう伝えると、さりげなく彼との会話を終えました。
 ところが、料理の最初の2、3口を味わっていた矢先、マリリンとの楽しい会話をまたしても遮られました。突然、スピリットの声が聞こえたのです。
 「ジーニー? ジーニーというのは、誰かしら?」
 「オーマイゴッド! それは、僕の妹だよ」

 ジョン・レノンと誕生日

 こうして本日最後のお務め、真夜中の霊媒セッションが始まりました。
 「彼女は癌でこの世を去ったようね。あなたととても仲が良かったと言っているわ。6人兄妹のうち、あなたが一番のお気に入りだったみたい。ジーニーの旦那さんと子供たちに見守られてこの世を去ったのだと言ってる。あなたはそこにいなかったようね」
 「そう……その通りだよ」
 「あなたの大きな成功をすごく誇りに思っているわ。でも何より、子供たちのために巨額のチャリティー募金活動をしたことを一番誇りに思うって」
 寛大などジネスマンであるハリーは、涙をずっとこらえているようでした。
 「君はホントにすごすぎるよ!」
 ですが、ここでしみじみと感傷的になるハリーではありませんでした。
 「まあ、僕の誕生日までは分からないよねえ?」
 「……それは、ジョン・レノンが射殺された日ね」
 「な、なんでそこまで分かるんだ!? ジョン・レノンは僕のヒーローだ。ジョン・レノンの世界一のファンが僕、君の目の前にいるこの僕なんだ!」
 そのうち、もう3人がこちらのテーブルに合流し、にぎやかなディナーとなりました。
 そして閉店が近づく頃、私はマリリンにそろそろ出ましょうかと声をかけました。彼らに、さようならを言って店を出ようとすると、ハリーは名刺を交換しようと言ってきたのでした。そして、私の手からスマートにレシートを奪うことも忘れませんでした。今まで一度も霊媒セッションを受けたことのない、ましてや霊界について知る機会のなかったハリーは、この時本当に必要としていたメッセージを受け取ることができたようです。何でも一番よく知っているスピリットたちは、多忙なハリーにとって最高のタイミングと場所を選んでメッセージを伝えたわけです。私にとってはウェルカムとは言えないタイミングでしたが……。まあ、おかげでディナーをごちそうしてもらえたのですから、よしとしましょうか。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 最後は心温まる話題です。


 ・・・<『霊能捜査官アンジェラが語るスピリット(魂)との融合』、p41〜p47から抜粋開始>・・・

 天国の赤ちゃんをお世話するのは?

 マリオンという若い女性から、霊媒セッションを受けたいという電話が入りました。霊能者として活動する私の記事を新聞で読んで、ずっと気になっていたというのです。私の名前にまるで導かれるように連絡を取ったのだと彼女は言いました。つまり、必然的に引き寄せあったというのです。マリオンは、たまたま私の近所に住む姉の家へ行く予定で、できればその家でセッションを受けたいと言いました。そして、今まで”この手のもの”は試したことがなく、私が初めて出逢う霊能者だとも付け加えました。
 そして、当日姉とともに私を出迎えてくれたマリオンは、思慮深くかしこそうで、感じの良い女性でした。いざセッションを始めようとすると、彼女はどうやら私がタロット・カードのようなものを使うと思っていたようで、戸惑っている様子です。私はできるだけ分かりやすく、私の方法を伝えました。そして、リラックスして腰かけ、天国にいる愛する人たちに愛情あふれる思いを寄せるようにと言いました。すると、すぐにマリオンの母親側の祖母らしきスピリットを感じ取りました。そのおばあさんが、小さな男の子の赤ちゃんを抱いているビジョンが見えました。
 「男の子の赤ちゃんが見えるわ。あなたのおばあさまが、その子のお世話をしているようね」
 「オーマイゴッド!」
 マリオンは涙をこらえきれず、感極まった様子で叫びました。私は、その赤ちゃんが天国でとても健やかな様子だと伝えました。
 「赤ちゃんが旅立つ時、おばあさまが迎えに来てくれたみたい。今は彼女がお世話でいるそうよ。とても元気な赤ちゃんね。……ジョッシュと呼ぶ声が聞こえるわ」
 「私の赤ちゃんの名前だわ……」
 マリオンは一瞬息を呑み、静かに泣いている姉の手を握りました。そして、涙に濡れながらこう言いました。
 「ジョッシュの面倒を誰かがみてくれているかどうか、それだけが心配だったんです。それが私の大好きなおばあちゃんで本当に良かった。あなたって素晴らしいわ! 本当にありがとう」
 「胸元にテディ・ベアの絵がついた赤ちゃん用の白い服を着ているのが見える。ただ頭のところに何か問題があったようね。天国に旅立つまでの何週間かはホスピスにいて、いろいろな治療を受けていたよね」
 「一体どうやったらそこまで分かるの? とにかく、知りたいことが分かって感謝の気持ちでいっぱいよ。ありがとう」
 深い悲しみで心を痛めている人から、こんなにも高揚した感謝の気持ちを受け取ったのは初めてでした。
 「夫のニールも一緒にこの体験ができたらよかったのに。問題は、彼が霊界を信じられないことなの。ジョッシュのことだってあまり話さないのよ。私はもっと話したいのに。多分それが、悲しみに対処する彼なりの方法なんだと思うけど」
 深い悲しみにとらわれることについて、少し話しておくべきだと思い、こう切り出しました。
 「あなたたちのように最愛の子供を失った両親は、たいてい違う形で深い悲しみに暮れると思うの。全然違うと言ってもいいくらい。パートナーなのに、距離を感じることもあるでしょう。でもいつかニールが信じてくれる日が来ると願いましょうよ」
 霊媒セッションが終わりに近づくと、マリオンは次の予約について聞いてきました。依頼者が会いに来るタイミングは人それぞれだと伝えました。例えば、何か特別なことがこちらの世界で起こる時に、家族をはじめ天国の愛するスピリットたちとの交信を求めて来る人たちもいます。また、何かトラブルを抱えていて、その解決策を見つけるために助言をもらいたい時ということもあります。あるいは、いつもそばにいてくれるかを感じたいとか、ただ心を温めたい時にも。霊界のスピリットたちは、いつも私たちが求める時にそばにいてくれる。そして私たちが望む答えではないかもしれないけれど、私たちに必要だと思うメッセージを伝えてくれるのです。

 赤ちゃんスピリットが届けた奇跡

 次にマリオンが私のもとへやって来たのは、それから1年後のクリスマスの時期でした。初めての霊媒セッションの時のように、彼女はこれから始まることにワクワクしているように見えました。スピリットとのコミュニケーションのレベルはいつも同じとは限りません。霊界波長と共鳴し、あらゆるバランスが整っている時、最高のコミュニケーションが実現するのです。
 最初に話をしているとすぐに、ジョッシュのスピリットのビジョンが見え始めました。
 「歩いている!」
 私はその姿に驚きました。この世の法則と同じように、彼は霊界で成長していて、今回はなんと幼児の姿で現れたのです。よちよち歩きでリビングに入ってきて、マリオンに近づき、ひざの上に小さなおもちゃのバイクを乗せました。
 「マリオン、ジョッシュのスピリットがここにいるわ。よちよち歩いているし、髪の毛も生えそろっていて、とても可愛い。今ね、あなたのひざの上におもちゃのバイクを置いたのよ」
 マリオンは愛おしそうにひざ元を見ながら、突然大粒の涙を流しました。
 「信じられない……ちょうど今週、そのおもちゃのバイクをお墓に供えてきたばかりなの」
 そう、天国にいる愛する人に贈り物をすると、必ず受け取ってすぐに反応してくれるのです。そして交信する時に、その贈り物を見せてくれます。まだ小さすぎて言葉を話せない、もしくは何らかの言語障害のある子供たちは、どのように交信すると思いますか? 彼らの守護霊やサポート霊たちが、代わりに思いを言葉に乗せて伝えてくれるのです。
 ジョッシュの目を通して、あるビジョンが見えたので、マリオンにこう尋ねました。
 「ジョッシュのお父さんはバイク愛好家なの? 最近、タイヤを替えたりしたかしら?」
 「ええ! 数日前に替えたばかりよ」
 「タイヤ交換の間、ジョッシュはお父さんのことをずっと見ていたって」
 「そう、早くニールに伝えたいわ。どうかこの話を信じてくれますように。彼にとっても心がすごく救われるはず。でも私から言っても信じてくれないから」
 するとジョッシュの守護霊に導かれるように、私はこう口にしました。
 「ニールのバイク着の左袖に穴があいているようだわ。そのことを彼に伝えてみて。これが本当だと、きっと彼も信じてくれると思うわ」
 「でも、どうかしら……。彼、新しいバイク着を買ったばかりなの」
 「そうなのね。でも、何故だか分からないけれど、これは伝えなければならないことだと感じるから言うわ。私は子供の頃からずっとそうなの。その時はおかしなことだと思っても、後になってすごく大切な意味があったりするのよ」
 そう言いながら、またもや突拍子のないことを言わなくてはならない衝動にかられ、マリオンの腕をつかんでこう言いました。
 「6月2日に、あなたたちがお祝いするような出来事が起こるわ」
 すると、マリオンの顔が急にこわばりました。
 「いいえ! その日に限ってお祝い事があるはずない。その日はジョッシュが天国に行った日だから」
 私はマリオンに謝りました。でも、私の守護霊が同じことを繰り返し伝えてくるので、確信したのです。
 「でもねマリオン、そう言うのが繰り返し聞こえたの。どうか受け止めてくれないかしら。大切な意味を持っていたことが、後になって分かるはずだから。ジョッシュを失った悲しみを埋めてあげたいから言っているんじゃないの。あなたは6月2日、かわいい女の子の赤ちゃんを授かることになるわ」

 2回目の霊媒セッションで、こんな衝撃的なことを聞くことになるとは、マリオンは思ってもいなかったでしょう。でも、その素晴らしいニュースを胸に、彼女は帰っていきました。数時間後、マリオンから電話がありました。
 「早くニールに今日のことを話したくてうずうずしていたの。もちろん、ジョッシュのことを話して、その後あなたが言ってたバイク着の穴の話をした。そんなわけないだろという彼に、早く確かめましょうと急き立てたわ。そのあと、彼は一人で部屋に行ってなかなか戻ってこないから待ちきれなくて見に行ったのよ。ニールはだまって椅子に座って、バイク着を優しく抱いていたの。目に涙を浮かべながら……。何を見つけたのかすぐに分かったわ。一体アンジェラは、どうやってこんなことまで分かってしまうんだって聞くから、もちろん、本物の霊能者だからよと答えたわ。ジョッシュが天国で幸せそうで、元気に成長していることも伝えたら、信じてくれたの。一番嬉しかったのは、バイク修理をしている間、そばで見ていてくれたことだって」
 ジョッシュとの交信でマリオンの心が愛で満たされ、何よりニールが霊界のことを信じるようになった……。奇跡は必ず起きるのです。
 それから1年半後、マリオンから思いがけず電話がありました。なんと女の子を出産したというニュース! それだけではありません。ジョッシュと同じ病気がないか確かめる検査をして、生きた心地がしないくらい心配していた二人のもとに、その結果を知らせる通知が、そう、6月2日に届いたのです! マリオンとニールは、この奇跡の物語を世界中に話したい気分だと話してくれました。奇跡は起こるのです、必ず!

 ・・・<抜粋終了>・・・


(2019年3月3日)



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