数千万人の花粉症の日本人を生み出したもの
私自身は花粉症ではないのですけれど、うちの奥さまがかなりの花粉症でして、「特に今年はひどい」と言っていたのですね。
まあ、私も今は花粉症ではないとはいえ、5? 6年くらい前に、突然、花粉症のようなものを発症したことがありました。これはもう花粉症というより、季節と関係なく、いろいろなものにアレルギー反応を示すようなもので、わりと厄介でした。
子どもの頃から花粉症になったことがなかったですので、「どうして、こんなことになっちゃったのかなあ」とは思いましたが、同時に、花粉症で苦しんでいる人は、こんなことになっていたのだなあ、ということも知りました。
私の場合は、昨年、小麦粉(グルテン)を摂取するのをやめた途端に、そのアレルギー症状は完全に治りまして、今も花粉症的なものはないです。
まあしかし、グルテンと花粉症の間に関係があるというような意味ではなく、私は、グルテンの遅延性アレルギー(グルテン不耐性)であることを自覚していますので、グルテンによって、さまざまな炎症が促進されやすい体質だったのだと思われます。
ですので、グルテン摂取に問題のない方が小麦をとるのをやめても、おそらく、それがアレルギー症状を治めることにはつながらないと思われます。
ちなみに、グルテン不耐性の人の率というのは、さほど多くはないと思われ、極めて多く小麦粉を摂取し続けてきた西洋で 10人に 1人くらいと言われていますので、日本では、それよりは少ないと考えられます。
このグルテン・アレルギーに比べますと、花粉アレルギーすなわち「花粉症」の人の数は、ものすごいものがあります。
現在、日本人で花粉症の方の数がどのくらいかご存じでしょうか。
以下は、2016年度の「第4回 東京都花粉症患者実態調査」の結果についての医学報道です。
花粉症は"都民病"、2人に1人が罹患
medical-tribune.co.jp 2017/12/25
スギ花粉症の有病率は全国規模で年々上昇傾向にあり、今や"国民病"と称されています。東京都ではその状況が深刻で、もはや"都民病"ともいえる事態になっています。
東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科講師の浅香大也氏は12月21日、東京都で開かれたNPO花粉情報協会主催の「スギ・ヒノキ花粉飛散予測セミナー」で、第4回東京都花粉症患者実態調査(2016年度)の結果を報告。
東京都民の花粉症推定有病率は48.8%に上り、10年前の第3回調査で算出された28.2%を大幅に上回ったことを示しました。
このように、東京都の例ですと、
「有病率は 48.8パーセント」
となっているのです。
現在の東京都の人口は、約 8万人ですので(小さな首都だな、おい)、あ違った、約 930万人ですので、「東京都だけで、少なくとも 400万人以上の花粉症の人たちがいる」ということになりそうです。
そして、日本全体でも、地方によって多少の差はあるでしょうけれど、それほど大きく差があるということもなさそうで、つまり現在、
「日本人の約 50パーセントが花粉症」
という、わりと大変なことになっているわけです。
現在の日本の人口は、約 30万人ですので(小さな国だな、おい)、あ違った、約 1億2600万人強ですので、とても大ざっぱに考えれば、
「日本人の少なくとも 6000万人などの人たちが花粉症となっている可能性がある」
といえるのではないでしょうか。
ちなみに、「日本人の花粉症率は約4割? 病院での検査率は男女で違いが」という記事では、アンケートで有病率を探っていますが、こちらも、「およそ 4割」が花粉症だということになっています。
なお、この記事では、20代の男女から 50代の男女までの年代と性別からは、
・40代女性が最も有病率が高い(79.2パーセント)
・40代男性が最も有病率が低い(33.3パーセント)
となっていました。
全体的に女性のほうが花粉症の率がかなり高く、そして、女性では、年齢を重ねるごとにどんどん高くなっていきます。
これはなかなか興味がある部分でもあります。
というのも、一般論にはなっていないかもしれないですが、今では、最先端医学の見識では、
「花粉症もまた、腸内細菌の環境の変化・崩壊による」
ことが、ほぼ明らかになっているからです。
つまりは、「現在の日本人女性が、年齢が上がると共に花粉症になっていく率が上昇する」というのは、「現在の日本人女性の生活の中の《慣習》に何かその理由がある」という気がします。
後述する「腸内細菌を破壊する要因」から考えますと、多くの家庭では、男性より女性のほうが「家庭用クリーナー製品」や「除菌製品」を使う可能性が高かったりすると思われますが(うちでは私の方が圧倒的に多いですが)、そういうこととの関係も考えられないではないですし、最近、「妊婦さんの口紅と胎児への影響」がクローズアップされていたりもしますので、あるいは「化粧品」(特に口から体内に入るもの)も、腸内環境に影響するものもあるのかもしれません。
さて、これは今回ご紹介する記事と非常に関係してくるのですが、今年 1月に、腸内環境について以下の記事を書かせていただいたことがありました。
ご紹介した記事の本テーマ自体は、
「赤ちゃんの糞便から、健康な腸内細菌を不健康な状態の腸に移植すると、状態の悪い腸内細菌環境が改善することがわかった」
というものですが、そこから「酪酸菌」というものの話へと移行していったものでした。
酪酸菌(日本での商品名はミヤリサン)については、また後でふれることになると思いますが、この過去記事の本題に戻しますと、その中で、とても驚いたのが、
「腸内でアレルギー反応の防御をしているバクテリアは1種類だった」
ということでした。
もちろん、他にもいるのかもしれないですが、いずれにしても、「非常に少ない種類の腸内細菌が、私たちをアレルギー反応から守っている」ようなのです。
ということは、「何らかのキッカケ」で、その1種類の腸内細菌が「絶滅」してしまった場合、もはやアレルギーに対しての防御がなくなってしまう。
まあ、もちろん、たとえば花粉症にしても、他のアレルギーにしても、いろいろな種類のものに対しての反応と症状がありますので、もう少し腸内の細菌のそれぞれの関係性は複雑なものであるとは思いますが、しかし、ほぼ断定できることとしては、以下のようなことがあります。
たとえば、先ほども挙げました、この「異様なほど多い日本人の花粉症の有病率」を考えますと、花粉のアレルギーから私たちを守ってくれている腸内のバクテリアも、1種類とかそのように大変に少ない種類であり、
「それは現在の日本の生活環境の中で死滅しやすい」
ものだと考えられます。
腸内細菌が死滅する理由、あるいは「腸内環境の構成を変えてしまう」ものは、さまざまにあるでしょうけれど、過去記事で取りあげたものでは、以下のようなものがかなり強力にそれを実行します。
腸内細菌を殺す、あるいは腸内細菌環境を変える物質
・抗生物質 (過去記事)
・砂糖 (過去記事)
・人工甘味料 (過去記事)
・除草剤ラウンドアップの農薬成分グリホサート (過去記事)
・加工肉のほぼすべてに入っている亜硝酸ナトリウム (過去記事)
・化学成分で作られている家庭用洗浄製品 (過去記事)
他にもあるでしょうけれど、ブログで取り上げさせていただいたものについては、以上のようなものが、腸内の細菌環境に影響を与えていることが証明されています。
そして、大事なこととして、この「私たちの環境の中にある《腸内最近環境を変えるもの》」は、
「過去 30年間くらいの間に生活に大きく入り込んできたものの中のどれか」
だと考えることができると思われることです。
なぜかといいますと、先ほどご紹介させていただきました東京都花粉症患者実態調査(2016年度)の結果が、それを示していると思うのです。
この花粉症患者実態調査は、これが 4回目ですが、以下がその 4回の推移のグラフです。
1983年から2016年までの東京都の花粉症有病率の推移
・medical-tribune.co.jp
第1回目の調査は 1983年からとありますが、その時の有病率は、10パーセントほどだったことがわかります。
そして、2016年度は、48.8パーセントで、ほぼ 5倍となっています。
ここから見ますと、
「花粉症になる人は、過去約 30年間ほどで、5倍も増えている」
ということになり、このことはつまり、
「過去 30年間ほどで、花粉から防御してくれる腸内細菌環境が崩壊した人たちが、それだけ増えた」
ということになると考えて問題ないのではないかと思うのです。
しかも、グラフをご覧になっておわかりのように、かなり急角度で上昇していまして、これはおそらくは今後も、さらに花粉症の人たちが増えていくというように考えざるを得ません。
このような強い勢いで人々の腸内細菌を破壊している原因が、先ほど挙げた中にあるのか、あるいは何か他の要因があるのかはわかりません。
しかし、それが何であるにしても、「最近になって、私たちの環境の中に大きく関わっているもの」であることは間違いないと思います。
さて、その花粉症なのですが、実は、私の奥さまが毎年ひどい花粉症なんですね。初めて会った 18年前からそうですので、わりと長く続いているものです。
そして「今年は特にひどい」とよく言っていたのですが、ふとしたことで、「症状が飛躍的に軽くなった」のでした。
すべての人に関係する話ではないですけれど、一応書かせていただきたいと思います。
酪酸菌がまたも
先ほどリンクいたしました過去記事、
・米シカゴ大学が乳幼児の腸内細菌を用いて食物アレルギーを改善する画期的な方法を発見。そして、キーである「酪酸菌」を用いて…
の後半では、「食物アレルギーの改善のために、酪酸菌をとることは、場合によっては効果があるかもしれない」ということを書かせていただいています。
それで、私の奥さまの話に戻りますと、先日あまりにも、クションクションとやっていまして、何だかもう顔も声もボロボロになっていまして、見かねまして、
「あんまり意味ないかもしれないけど、これ(酪酸菌)飲んでみる?」
と、強ミヤリサンを見せたのですね。
私は、自分が試している健康法(?)を奥さんを含めて、他の人に押しつけることはないのです。その話はよくしますが、相手が興味があるなら説明をします。
奥さん 「薬?」
わたし 「薬ではないよ。ぬか漬けのぬか床を食べるようなもん」
そうして、奥さんはそれを飲んで、仕事に出かけたのですけれど、帰ってきた時、
「何だかすごい楽だった」
と言うのです。
わたし 「いくら何でも、そんなに早く?」
奥さん 「昨日とか今朝とかとは全然違った」
わたし 「うーむ」
あまりにも早い効果に、「プラセボ(偽薬効果)的な?」とも思いましたが、ともかく、彼女の場合に関しては、あっという間に花粉症の症状が改善したのでした。
自分の経験からは、食物アレルギーの症状の緩和の効果は多少あるとは思うのですが、「花粉症はどうなのだろうなあ」と思いまして、Amazon の「強ミヤリサン」のレビューを少し見てみたのです。
レビューは全部で 440以上ある膨大な数ですので、すべてを見ることはできないですが、少し見てみますと、少数とはいえ、
・アトピーが改善した
・花粉症が改善した
・アレルギー鼻炎が改善した
というものが見られるのは確かです。
少し抜粋してみますね。
レビューはこちらのページの下のほうにあります。
強ミヤリサン(酪酸菌)の商品レビューより
「普段はまったく起こらない胃腸炎でドクターに処方されたのがミヤBM錠でした。飲んでいるうちに、なぜか持病のアトピーが劇的に良くなり、不思議に思って調べたらこのミヤリサンにたどり着きました。アトピーがほとんど無くなりそうです。」
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「継続利用して半年以上。軟便はやや改善、腹は下り難くなった。予想外だったのは、花粉症について、毎年春先に一月ほど悩まされていたが、今年は鼻炎薬等が必要なかった。」
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「わたしは物心ついた頃からひどい花粉症で、おまけにアレルギー性鼻炎もひどく、市販の点鼻薬が常習になってしまい、一日何回も点鼻薬を打たないと鼻が詰まっていました。(略)
ん?なんだか鼻炎が起こらない?あれ?朝起きたら完全閉鎖しているのに全く詰まってない!(略)変えたことといえばミヤリサン以外にないのです。
2月になると慢性鼻炎に花粉症が重なってくる時期で、夜も眠れないほど苦しい毎日を送っていたのがうそのようです。」
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「便秘と下痢を繰り返す、花粉症がひどい、吹き出物が多い、膣カンジダを繰り返す…などトラブルが多かったのですが、強ミヤリサンを飲んでから、便通は良くちょうど良い便が出ますし、花粉症の症状も軽減され、吹き出物も減り、膣ガンジダも治まりました。」
これを抜粋して記しているうちに、何だか健康雑誌の編集者のような気分になってきましたけれど、少なからず「酪酸菌によりアレルギーが改善した」という報告があることがわかりました。
ですので、花粉症でもアトピーでも、本当に苦しいような思いをされているのであるなら、ダメモトで試してみる価値もあるかもしれません。副作用はないですし。
ただ、レビューは全体としては、評価がとても高いですが、中には「体質に合わなかった」という人たちのレビューもありますので、人により、あるいは体質により、効果はまったく異なるということは、どんなものについてもあると思います。
また、これはもう少し調べてからでないと書けないですが、この酪酸菌を含めて、
「プロバイオティクスが、腸内環境を根本から改善する」
というのは、ほぼ「幻想」である可能性が高いです。
口から飲んだ有用な細菌が「大腸にそのままずっと定着する」というデータが乏しいのです。
なので、あくまで「足りないものを日々補充している」というものであるといえそうで、つまり、変化してしまった腸内環境の「補佐」というのが、プロバイオティクスという存在の正しい意味だと思われます。
もちろん、今後、プロバイオティクスについて何か革新的な新しい研究も出てくるかもしれませんが、プロバイオティクスは、「失われた腸内環境を完全に修復するというようなものではない」とは言えると考えています。
なお、強ミヤリサンは、Amazon では以下にあります。
なお、「根本的な問題解決の話」のようなものとなるかもしれないですが、花粉症を含むあらゆるアレルギーの方は、食生活と「心の持ちよう」を見直してみるのもよろしいかと思います。
これは……たとえば、東城百合子さんという方がいらっしゃるのですね。
日本の自然療法の大魔神のような方ですが、この東城さんが 1978年に出版された『家庭でできる自然療法』という本を、私は、何か症状があった時には、ペラペラとめくるのですが、とてもお世話になっているものでもあります。
胃の悪かった私は、最初は「馬鹿馬鹿しい」と思いながらも、東城さんのこの本に記されている「芋パスター」という、要するに「里芋の湿布」を作って試してみたら、とても良かった・・・とかそういう実例がたくさんあります。
ビワの葉も良いもので、私は、今年からベランダで「ビワ栽培」にも挑戦するつもりです。何しろ、今はビワ農家さんから買えるビワの葉ですが、世の中に何かあって、買えなくなったりすることもないではないかもしれないですしね。
まあ・・・しかし、東城百合子さんの、食べ物や手当てのようなものに対しての考え方は、いろいろとあると思いますので、このブログではふれたことがないですし、今後もふれないと思います。
あまりにも、現代の医療見識とはかけ離れていまして、精神的にも現実的にも、そのふたつが融合するのは難しそうです。
そういう響きに抵抗がないのでしたら、実用的な治療本として「一家に一冊」といっていい本だとは思います。
それはともかく、その「家庭でできる自然療法」に、「アレルギー」という項目もありまして、そこには具体的な方法もたくさん出ているのですが、それはともかくとして、アレルギーという項目の最後は以下のように締められます。
「家庭でできる自然療法」より
全身的な強健法を心がけ、自然に感謝して自然に沿って生きる生活をして、心を養いながらすれば、体質は大きく変わっていろいろな症状は自然に消えていきます。
これはすべて、健康になるための基本です。
まるで絵空事のように響くかもしれないですが、この本をパラパラと読んだ後には、そういうようには思わないです。
それにしても、亡くなられた安保徹さんと、この東城百合子さんのおふたりは、決して Wikipedia の項目にならないのですよね。
その主張を信頼している人たちの数や、出版している本の売り上げなどを考えると、それぞれ相当な著名人であるはずなのですが、それが「インターネットの辞書にはない」というのは不思議なことです。
何だかよくわからない人たちの Wikipedia 項目は無数にあるのに対して、このような人たちの項目がないというあたりに「現代社会の仕組み」というのが、わりとはっきりと示されているのだなと感じます。しかし、どれだけ隠匿され続けるとしても、このような人たちの主張を知ると知らないでは、今後の人生が大きく異なったものとなっていったであろう見識を与えてくれた方々でもあります。
そんなわけで、壮絶に膨れあがり続ける花粉症の世界をテーマとして、少し書かせていただきました。