日本気象協会の報道より
世界各地で、気象がカオスの状況を呈している中で、日本は、いわゆる自然災害的な気候での被害を今はあまり受けていないこともあり、意識しないような面もありますが、実は「相当な異常気象」の渦中にあります。
7月14日の時点では、北海道の一部を除いて日本列島に「太陽が出ない」日々が続いているのです。
地域によって差はありますが、たとえば、7月14日の NHK は、以下のような報道がしています。
都心で記録的な日照不足 昭和63年以来
NHK 2018/07/14
東日本と北日本の太平洋側は先月末から曇りや雨の日が多く、東京の都心では、日照時間が3時間未満の日が13日までで17日連続となりました。これは日照不足となった31年前の昭和63年以来です。
日照時間の合計 都心が平年の7%
気象庁によりますと、オホーツク海高気圧の影響などで東日本と北日本の太平洋側を中心に湿った空気が流れ込んで、先月末から曇りや雨の日が多くなっています。
13日までの10日間の日照時間の合計は、さいたま市が2時間で平年の5%、東京の都心が2.9時間で平年の7%、前橋市が3.5時間で平年の9%、福島市が12時間で平年の34%などと大幅に少なくなっています。
このうち東京の都心では、先月27日から13日までの17日連続で、1日の日照時間が3時間未満となりました。
“関東〜北海道で農作物に被害”の昭和63年以来
日本気象協会によりますと、東京の都心で17日連続で日照時間が3時間未満となったのは、日照不足が続いた影響で関東から北海道にかけて農作物に被害が出た31年前の昭和63年以来です。
7月14日までの気象庁のデータでは、たとえば、東京の過去 10日間の日照時間の平年との差は以下のようになっていました。
・東京都・八王子 平年の 1%
・東京都・府中 平年の 3%
・東京都・東京 平年の 7%
関東では同じような場所が相次いでいることが気象庁のデータからわかります。
以下は、7月14日までの 5日間の日本列島の平均気温の平年との差異です。
青から水色の地点は、「平年より気温が低い」ということになっていまして、北海道以外は、ほぼ全国的に平年より、かなり寒い夏となっているようです。
2019年7月10日-14日の平年との気温の差異
・気象庁
関東から西日本の気温の低さが際立ちますが、東京では、7月12日まで 8日連続で最高気温が 25℃未満となり、1988年、1993年と並んで最近 50年で最長の記録となりました。
このような状況で最も困惑する状況としては、1993年に起きた「日本から米がなくなる」ということかもしれません。
お忘れの方もあるかもしれませんので、以下に Wikipedia から抜粋しておきます。
1993年米騒動
1993年米騒動とは、1993年(平成5年)の日本における記録的な冷夏による米不足現象である。
1993年の記録的冷夏は、20世紀最大級ともいわれる1991年6月のフィリピン・ピナトゥボ山の噴火が原因で発生したと目されている。夏の気温は、平年より2度から3度以上下回った。
今後の予測として、気象庁は、東日本では 7月20日過ぎ頃に梅雨明けして、暑い夏が戻るとしていますが、西日本の先行きは、現時点では不透明です。
ただ、日本列島全域の問題として、いったん夏の気候となったとしても、少し先の国際的な予測を見ますと、7月下旬も、なお曇りと雨が多い日が続く可能性が高いようです。
以下は、最近の In Deep の記事に載せさせていただきました 7月27日の雨量の予測です。
・GFS
西日本の一部では、繰り返し大雨となる可能性もあるようです。
気象と気温に関して、今年の夏は、多少混乱した様相となってしまう可能性が高くなってきています。