2019年10月22日 即位の礼の日に富士山の前面に出現した白い虹
・山中湖観光情報
旧約聖書『創世記』09章 12-16節
さらに神は言われた、「これはわたしと、あなたがた及びあなたがたと共にいるすべての生き物との間に代々かぎりなく、わたしが立てる契約のしるしである。
すなわち、わたしは雲の中に、虹を置く。これがわたしと地との間の契約のしるしとなる。 わたしが雲を地の上に起すとき、虹が雲の中に現れる。
虹が雲の中に現れるとき、わたしはこれを見て、神が地上にあるすべて肉なるあらゆる生き物との間に立てた永遠の契約を思いおこすであろう」。
2019年10月22日に起きていたこと
2019年10月22日は、令和の天皇陛下のご即位の礼(正式には「即位礼正殿の儀」)がおこなわれた日ですが、この日、午前中に雨が降っていたせいか、晴れた午後から関東各地で虹が観測されました。
しかし、最も印象的だったのは、基本的に、降雨などとはあまり関係のないと思われる「白い虹」が、山中湖に富士山の前面に出現していたことでした。
冒頭の写真がそれです。
この虹が、どのような現象なのかを写真だけで判断するのは、難しいですが、一般的に、白い虹が出現する理由は、おおむね以下のようなものです。
・非常に低い気温の中で大気中の氷の粒に光が反射する
・霧などの結晶に光が反射する
・光学現象の「幻日環」というもの
この中で、幻日環に関しては、一般的に、太陽そのものの光が見えているものですが、この白い虹にはそれが見えないですので、幻日環ではないと思われます。
拡大しますと、霧か何らかの結晶や粒子によるもののようなのですが、何だか、この虹の形の部分にそれが集中しているようにも見え、いささか不思議な現象のようにも見えなくもないです。
白い虹を拡大したもの
・山中湖観光情報
何より驚いたのは、私はこれまで、自然現象としての白い虹の中で、印象的なものはいくつか記事にしてきましたが、
「こんなに真っ白な虹は見たことがない」
と正直思いました。
まさに「純白の虹」といった感じです。
過去の白い虹などは、たとえば、こちらの記事などで取りあげていますが、だいたいは、赤系などの色がついているものなのです。
2017年12月にオーストラリア・タスマニアで撮影された白い虹
・earthreview.net, Nick Fitzhardinge
太陽からの光による光学現象なら、光のスペクトルの性質上、「何らかの色」が入るのが当然であり、完全な白になるというのはあまりあることではないはずです。
しかし、10月22日の山中湖の虹は、見事に真っ白です。
下の写真は、別の時間に別の角度から撮影されたと思われるものです。冒頭の写真より虹が薄い状態ですが、こちらも基本的に真っ白です。
2019年10月22日の山中湖の白い虹
・twitter
しかし珍しい現象だからといって、この白い虹が、陛下ご即位の日に出現したことの意味は、私にはわかりません。
偶然というように片付けることもできるものなのかもしれません。
ただ、先ほども書きましたように、もともと「虹」に興味のある私は、これまで、ずいぶんと様々な虹を見てきましたが、このような真っ白な虹は、おそらく初めて見たものです。
虹に関しての概念については、私自身は、旧約聖書の中にある記述を基本として考えていますが、それが冒頭で抜粋した部分です。まあしかし、私自身は、虹を吉兆だけのものと考えているわけでもないのですが、そのあたりは、いろいろと書いてはいけない部分もありそうです。
ちなみに、この即位の礼のあった 10月22日は、関東の各地で通常の七色の虹も数多く観測されていました。しかも、投稿者の方々によれば、これらの虹は、即位の礼が開始されたとほぼ同時に出現したそうです。
2019年10月22日 東京都内に出現した虹
・Luna_Firefrost
2019年10月22日 神奈川県に出現した虹
・Akkie155
即位の礼のちょうど1年前の2018年10月22日にも「皇居に虹がかかっていた」ことを思い出す
これらの、やや「横に長い虹たち」を見ていまして、ふと、
「そういえば、あれは今頃ではなかったっけ」
と思って、過去記事を振り返りますと、以下の記事にあたりました。
虹が神と人間の契約なら雹(ひょう)の意味は? 皇居にかかった二重の虹と、ローマに降り落ちた異常な雹嵐を見て思う、最近の自然を介した示唆
In Deep 2018/10/23
この記事の中で、「皇居の上に、虹がかかった」写真を掲載しているのですが、それが何と、即位の礼のちょうど 1年前の「 2018年10月22日」だったのでした。
2018年10月22日 皇居の上にかかった虹
・akari_garden
考えますと、この 1年間というのは、「皇居の虹から、即位の礼の日の白い虹」につながった 1年間だったということも言えるかもしれません。
しかし、先ほども書きましたが、それが意味するところは私にはわかりません。
冒頭のように、聖書の世界で神は、
「わたしは雲の中に、虹を置く。これがわたしと地との間の契約のしるしとなる」
と述べているような現象が虹であり、そして、皇居の上空に、虹がかかったその1年後の即位の礼の日に、「見たこともないような白い虹」が、しかも、富士山を背景に出現していたということには、確かに感慨深い部分があります。
いずれにしましても、このような稀少な現象の偶然を見ていますと、白い虹の意味はわからなくとも、良いにしても悪いにしても今後は「普通ではない時代」になっていくのかもしれないとも思います。